就労移行支援を調べるとネガティブな書き込みも多いな。
就労移行支援事業所の利用を考えているのに良いのか悪いのか分からないなぁ。
事業所選びに失敗したくないから、真実が知りたいわ。
こんな疑問にお答えします。
口コミやSNSで賛否両論の情報があるなかひどいネガティブな書き込みも散見され、情報収集がうまくできないのも事実です。
就労移行支援事業所がひどいと感じる方の意見を踏まえつつ、何でそういったネガティブな意見が出るのかを解説していきます。
就労移行支援について「ひどい」「悪質」「おかしい」と考えてしまう理由がわかります。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
この記事の信頼性については、こちらから運営者プロフィールをどうぞ。
私は現在進行形で就労支援に従事しています。
インターネット検索、SNSで就労移行支援のネガティブな内容も把握しています。
私の勤務先にも身に覚えのない口コミ評価を頂いています。
情報が満ちて何が本当で悪いのか判断に迷う時代になりました。
就労移行支援について「ひどい」と言われてしまう理由はサービスの提供側、サービスを受ける側、双方で原因があります。
詳しく解説します。
就労移行支援はそんなにひどいのか?
結論:下記に当てはまると「ひどい」と感じてしまうことが多い。
就労移行支援の実態から、実際に辞めさせられたという内容について順を追いながら解説します。
運営側、サービスを受ける利用者側共に視点を持っていただければ幸いです。
データを使って解説、就労移行支援の実態について
「就労移行支援」について抑えることは3つあります。
就労移行支援事業所は新規参入が右肩上がりに増えていった
図の通りで右肩上がりで増えていったサービスではあります。
就労移行支援は全体の2.4%とありますが、就労分野のなかでも一般就職に向けた支援を行う特性上、実はしっかり利用できる方は限りがあります。
なぜなら、就職に向けた状態がある程度整った方が利用するものだから。
2年間という期間が決まっていますので、頻回に入退院を繰り返したり、服薬調整が落ち着かないなどの理由がある場合は、利用が難しいといえます。
就労移行支援で金儲けを企む無能な運営会社を取り締まる
令和元年に制度改正があり、就労移行支援事業所の収益単価が改正されました。
従来は就職の有無に関わらず一律「804単位」でした。
どういう結果であれ、利用者の通所を促すことで無理やり収益を上げようとするような金儲け会社も一部で横行した結果、制度改正をしなければならなくなったというのが一般的な考え方です。
制度が変わってからは「インセンティブ制」となり、定員に対し、決められた人数の就職者数に応じた収益単価となります。
図で解説すると「1094単位」にするためには、定員20名であれば10名の就職者を出し、かつ、6か月以上は職場に定着をさせ無ければならないというルールです。
就労支援の質を担保するために制度改正、事業所数は若干の減少傾向
制度改正は近年の情勢を鑑みながら行われていきます。
就労移行支援が若干の減少傾向となっている理由は以下が上げられます。
①制度改正で簡単に「金儲け」できなくなった
就職させて6か月定着が実現できなければ収益単価が下がる仕組みです。
良い支援ができなければ職場定着はハードルが高い内容ですから、支援力が無い法人は利益率が低いことに気づき参入を諦めることがあります。
②就職先に苦労する地域によっては撤退もある
交通網が不便な山奥や、通勤の交通手段が限られてしまうような地域は就職実績が作りにくいです。
田舎にいけば職場数にも限りがありますので選択肢は狭くなります。
就職者を出すことが難しいと、同じ仕事をしていても得られる収益が少なくなってしまいます。
そのため、ビジネスモデルとして機能ができない地域は、制度改定にあわせて法人が撤退したり、新規参入を諦めたりするため、サービス自体が利用できないといった状況になってしまっています。
就労移行支を「辞めさせられた」3つの理由を考察
「ひどい」と感じるケースで「辞めさせられた」という内容もあります。
辞めさせることはめったにありませんが、考えられるケースが「3つ」ありますので解説します。
ケース①:就労移行支援事業所の規約違反
就労移行支援事業所に通所する前に契約書を必ずかわします。
多くの法人はビルなどの賃貸物件に事業所を設けてサービスを提供しますので、物損等の責任問題の所在をはっきりさせるために、一定の契約を行っていきます。
※こういった内容は利用者が不利になることは絶対に書かれていません。
仮に辞めさせられたとすれば、契約書の規約を破ったことがあげられます。
など、明らかな違反ともいえる行動があげられます。
ケース②:本人の認識問題、感情コントロール不足
契約書の違反と似ていますが、ルールや決まりに従えないという社会性の部分です。
例をあげると、
など、建設的な対応が、完全ではなくても社会人としてできていない方は難しい側面があります。
最低限のラインとして、発信して相談することが必要です。
ケース③:就職する気がない
支援を受ける気がなかったり、まったく通所をしない場合はサービス自体の適正が問われてしまいます。
就労移行支援のサービス認定はお客様と事業所の他に、自治体や相談支援専門員といった機関も関わります。
それぞれの意見で就労移行支援サービスが適切でないと判断されれば、利用停止となります。
就労移行支援はつまらない、意味がないと思う理由とは?
結論:自分にあった支援が得られていないから
フェーズにみあった支援ではない
就労移行支援では、以下のような訓練や実習の段階を経るフェーズがあります。
しかし、「生活リズム」や「健康」、「ある程度の社会性」が整っている方に対してこんなやりとりをするとミスマッチが起こります。
●●さん、ここの方針なのでいったん健康管理シートをつけて下さい。
えっ?見学説明会の時に体調は整っているって伝えましたよ・・・。
(↓ 心の声 ↓)
おまけに毎日通所できてるし、寝不足や栄養の偏りも関係機関から情報提供がいってるから問題がないのは分かるはずだろ?
お金の問題で早く就職実現したいのに、ここの支援員は状況把握すらできないの?
こういった感じになると「つまらない」「意味ない」と思う理由になり「退所」にもなってしまいます。
解決方法は希望を明確に伝えること
「つまらない」「意味ない」とならないためにも、見学面談で明確に希望を伝えることが大切です。
自分の求めているものを発信できる力が必要になります。まず、この能力が備わっているかどうかを振り返りましょう。
就労移行支援は業界経験者のクズが運営している?
結論:経験者でなく、未経験者が運営をしているパターンが多い
利益重視だからマッチした事業所ではなくなってしまう
「福祉」の「ふ」の字を知らない未経験者が代表取締役であるパターンは多いです。
収益をあげることが「世のため人のため」という思考が先行してしまうことで、本質である支援がおろそかになってしまいがちです。
そもそも未経験者が「障がい」「精神疾患」「発達障害」といった方の特性を理解しながら運営を行うこと自体がとても難しいことになります。
その人を理解するための基礎知識や現場経験は避けては通れないといえますが、逆に支援優位でありすぎると経営視点で運営できなくなりますので、困ることになります。
良い事業所とは、支援と運営のバランスがしっかりとれているところが理想です。
ひどい就労移行支援事業所を選ばないためには?
結論:他人ではなく「自分」を軸にすること
ポイントは以下です。
書き込みは鵜呑みにしない
Google検索やGoogleマップで得られる☆評価はあてになりません。
なぜなら、
サービスが形として手物に残らないため、受けての感じ方で左右されてしまうから
書き込みをしている方もご病気をお持ちです。
患っているご病気の内容によっても受け取り方は異なりますし、思考特徴によっても違いがあります。
通常の対応をしても悪いと受け取ってしまう方もいます。
☆評価が悪いところでも、ご自分にあった支援が受けられたり、職員の雰囲気がマッチしていれば、そこは「あなた」にとっても良い事業所といえます。
インターネットで簡単に情報収集ができますが、☆評価についてはすべて鵜呑みにすることは望ましいことではありません。
体験利用して自分で確かめる
私は日頃からお客様対応もしていますが、インターネットで調べたことを理由に即決される方はひとりもいません。
必ず見学をして、ネット検索で得られない内容を加味して決められる方が一般的です。
私の事業所にも☆ひとつ評価がありますが、見学に訪れる方は毎月多いです。
職員や事業所の雰囲気は実際に確かめなければ分かりません。
大手事業所に絞る
就労移行支援事業所の大手はマニュアル化しているところが多数ですので、対応がとても丁寧です。
私の会社も最近マニュアル化されましたので、職員による対応の違いはかなり少なくなっています。
賃貸物件を探しに不動産屋に行ったことはありませんか?
お茶をだしてくれたり、モニターを使って解説をしてくれたりすると思います。
イメージでいくと似ていますので、参考にされて下さい。
就労移行支援事業所は、決められた職員数でお客様の支援をしながら見学対応となりますので、予約は必ず必要です。
大手事業所の見学手順は下記の記事で解説をしています
➡ 【手順を完全公開】就労移行支援とは?事業所の申し込み解説
【まとめ】就労移行支援はそんなにひどいのか?
制度改定の流れを鑑みると、ひどい就労移行支援事業所が散見されていたことは事実です。なぜなら就労移行支援事業所が右肩上がりに増え、制度改定と共に新規参入が減ったから。
「金儲け」ができないと分かればビジネスとして難しくなり、現実的に事業維持ができなくなります。
しかし、サービスの質を向上させることで顧客満足度を高めることで生き残る事は十分可能ということです。
福祉のことが分からない経営者に限っては、こういう思考になりにくいのも現実です。
「あなた」がひどい就労移行支援事業所を選択しないためには、自分を信じて、実際に確かめる他はありません。
☆評価はあてになりませんのでご注意下さい。
本当に「ひどい」事業所であれば潰れますが、そうではなく、長く運営できていたり、店舗数を増やしているところはある意味「優良」である捉え方ができます。
まとめますが、おすすめは大手の就労移行支援事業所です。
大きな組織は職員の対応を揃えるために業務のマニュアル化も進んでいますので、安心して案内が受けられます。
分からないことをその場で質問したり、実際に活動されている利用者様や職員の雰囲気を確かめることは大切です。
次にこちらの記事で見学申し込みの手順について解説をしています。
初めての方でも流れに沿っていけますので、参考にされて下さい。
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