就労移行支援っていじめがあったりするんかな?
最近、他の利用者さんに無視されているかも
こんな悩みを解決します。
「いじめられている」という感覚は利用者によって違いがあります。
体調やメンタルが悪く、感覚過敏になっていると「まわりの人がすべて悪い」という認識になってしまいがちです。
なので、自分の健康状態を向き合いながら情報収集するのが良いと言えます。
この記事では就労移行支援事業所に特化した「いじめ」について示していきます。
「いじめ」は福祉施設に限らず、どこの職場にも一定はあると思われます。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
私は現役で就労支援をしている職員です。
信頼性はプロフィール詳細からどうぞ。
現在、私の事業所に「いじめ」問題はありません。
なぜなら、私が利用者様全員と個別面談をしているからです。
過去にいじめと捉えられてしまうトラブルはありましたので、知見を交えてまとめます。
就労移行支援事業所で「いじめ」はあるのか?
以下の流れで解説していきます。
就労移行支援でのトラブル・いじめ事例
私が経験したトラブル・いじめ事例を以下で解説します。
利用者同士
利用者Aと利用者Bが意気投合してLINEを交換。
訓練後に食事へ行った。利用者Aは利用者Bに食事代800円を借りた。
利用者Bは「あとで返す」と利用者Aに口頭で伝えたが、一週間経っても返金がない状態が続いた。
利用者Aは食事代のことを利用者Bに聞くと「友達だからそのくらいいいじゃん」と言われた。その日は利用者Bのまわりに他の利用者が集まり談笑されており、いつもと違った雰囲気があった。
「私は何かしたんだろうか」と利用者Aは不安に駆られた。
訓練を終えて帰宅し、夜21時ごろ利用者BにLINEでメッセージをすると「もう遅いから明日ね」とあしらわれる。
「ご飯も一緒に行ったのになんなんだろう。」利用者Aは利用者Bの対応に不満や不信感を感じて体調を壊し、通所ができなくなった。
就労移行支援事業所の職員が利用者Aに体調を尋ねると一連の問題が発覚した。
利用者同士のトラブルは以下の理由でおきます。
- コミュニケーション特性
- 思考認識の違い
- 社会性の低さ
就労移行支援事業所にはコミュニケーション、人間関係の構築に課題がある利用者もいますので、人付き合いの見極めは大切です。
利用者同士の問題で通所ができなくなるのは本末転倒といえます。
職員と利用者
利用者Cが就職に向けて職員Dに面接練習を依頼した。
いざ練習に入ると慣れない内容であったため緊張感が高まってしまい、利用者Cは気持ちのコントロールができない様子であった。
職員Dは「もう少し肩の力を抜きましょう!」と前向きなアドバイスをした。
気分を悪くした利用者Cは「頑張ってやってるのに馬鹿にしてますよね?」と職員Dに意見をする。
「馬鹿にしているという言葉づかいは違うんじゃないですか?」と毅然とした態度で利用者Cに注意をし、練習を続けた。
すると、翌日から利用者Cは就労移行支援事業所への通所を辞めてしまった。
職員Dが施設長に相談し、利用者Cの今後の対応について検討し、施設長が利用者Cに理由を聞いた。
「練習の件は聞いています。落ち着きましたか?」、利用者Cは淡々と次のように述べました。
「面接練習の件は福祉課にも相談しました。何で一生懸命やってるのに怒られなきゃいけないんですか?私は悪くありません。なのに、何で言われなきゃいけないんですか?おかしいですよね」
翌日、福祉課の職員が緊急訪問し、当事者を集めて緊急会議を開く形となった。
こちらのケースも「認識」が原因です。
職員から「いじめられた」「パワハラにあった」ということになります。
利用者Cの思考経路にある障害が原因で「いじめられた」という思考になっています。
就労移行支援事業所で面接の練習をして、指摘を受けることは至って普通のことです。
アンガーコントロールが整っていなく、毎回怒ってしまうようであれば、就労移行支援というサービスが適しているか検討がなされます。
就労移行支援事業所の「いじめ」は認識のズレが原因で起こることが大半ですが、態度が悪い利用者でなければ、意図的に起こしていることが考えられます。
就労支援員に向いてる人とは?【利用者にも知って貰いたい】
就労支援に向いている職員の特徴は以下です。
向上心があって前向きな方
ネガティブな方は向いていません。
なぜなら相手の強みが見えないからです。
誰もが得意・不得意を持ち合わせています。
客観的に見れることで、どういう進路があっているかを考えることになります。
足らないことは補えるのか、無理なのかといった判断もつけなければなりません。
常に前向きでなければ仕事自体に不満が溜まり、利用者に不利益な対応となってしまいます。
利用者への対応が雑になると知らず知らずのうちに「いじめ」のような言葉遣いになることがあります。
導くことができる性格
否定するのではなく利用者の希望をくみ取りつつ、現実的な視点で修正をかけて導くスキルが求められます。
利用者自身が客観的にみれれば良いですが、大半の利用者はできていません。
時には辛いことも言葉を選んで言える
言いにくいことでも、タイミングや言葉を選んで伝えるスキルは必須です。
例えば、間違った方法で仕事をしていて、注意や指摘がされないと間違えが続いてしまいますよね?
利用者の特性、性格、将来を考え、適切な言葉をチョイスして伝えることが必要になります。
人間関係を構築していくうえで、相手を傷つけてしまう言葉遣いが見られた場合は、相手を観察しながら適切に言葉を選んで伝えることができなければなりません。
就労移行支援員はきつい仕事なのか?
結論:仕事場の環境に左右される
職場環境が悪ければキツイ
など、働く側にとってもギスギスした環境であれば高ストレスがかかります。
利用者の訴えを受け止め、気持ちをコントロールしたり、時には仕事で使うエネルギーを分配するなど高度なスキルを使います。
これらは肉体というより精神です。
ストレス要因を取り除くことができなければ、精神状態は悪化します。
働く環境は支援者にとっても大切なんです。悪い労働環境だと「いじめ」が起こりやすいと言えます。
就労移行支援員を辞めたいという理由は?
主な理由は2つです。
理由①:イメージと違う仕事だった
など、就労系の業界経験がなかったり、リサーチ不足で就職してしまった職員は、働いてみてギャップに悩みます。
具体的には、
- 利用者と関係性が築けない
- 就職できない理由のか分からない
- 言葉遣いや態度を改善して貰えない
こんなことをきっかけに、上司から支援の指摘をされ、人間関係を悪化させて過剰に自責されてしまうパターンもあります。
そして負の感情のまま支援に当たると「いじめ」のような勤務態度が出てしまうことになります。
甘い気持ちで就労支援を希望される方は絶対に続きません。
理由②:仕事についていけない
現場の忙しさを理由にされる方もいますが、就労移行支援事業所で働くためには以下の考え方が必要です。
- 利用者に寄り添える
- 企業に寄り添える
- 仲立ちができる
福祉の知識だけがあっても勤まりません。ビジネス的に企業の気持ちの理解も必要です。
また、利用者の抱える特性の理解ができなければ関係構築や真意が掴めません。
実際は、適材適所で利用者と企業の間に位置するような立ち位置をキープしていくスキルが求められます。
就労移行支援の実態について
外部記事を交えながら解説します。
就労移行支援は金儲けだけの運営なのか?
以下の記事で専門的に解説していますので参考にどうぞ
➤ 【不安解消】就労移行支援は金儲け事業なのか、職員が語る真実
就労移行支援は意味ないサービスなのか?
「つらい」「意味ない」と考えてしまう方向けに以下で専門的にまとめています。
➤ 就労移行支援事業所に通うのが「つらい」と感じたら開く教科書【利用者向け】
就労移行支援の職員は最悪なのか?
最悪ではありませんが人によります。
こんな職員は最悪
「○○をしなさい」といったようにガミガミ言い続けたり、マウントを取るような職員は最悪です。
こういう職員が多い就労移行支援支援事業所は職員の職場環境も悪いはずです。
※
明らかに利用者が不利になる選択をしている場合は支援としてアドバイスをすることはあります。
こういう場合は正当ですので、お間違えのないように。
押したり引いたりでき、時には導くように指導する方は、利用者にとっても高いメリットがあります。
多方面から支援するスキルが身に付く
就労支援は多方面から様々な知識が身に付きます。
働いていると、利用者の悩みを聞いたり、仕事を紹介すれば良いという心構えでは働けないことに気づきます。
また、利用者と関係性を構築するためにもコミュニケーションスキルが必要です。
たくさん勉強できますので、働くことで支援者として得られるメリットが多数あります。
就労支援員は使えないのか?
結論:
- 職員による
- 「使えない」と思ってしまったら自己分析が必要
使えない職員もいる
大きな社会福祉法人であれば部署移動で支援分野が変わる職員がいます。
例えば、就労継続支援から就労移行支援に移ったり、生活介護から就労移行支援に移る職員といった形です。
分野が変わると支援ので質が変化します。
極端に言えば、耳鼻科の医師が心臓外科の患者を診察するイメージです。
就労移行支援事業の概要が分かっていない職員だと、使えない様子が出てしまいます。
【有益】特例子会社で働きたい場合、就労移行支援は必要なのか?
結論:必須です。就労移行支援事業所と関わりがあることで、採用率に影響あり。
企業側は就労移行支援事業に期待している
就職してからの困り事相談、伝え方、生活面の提案など、企業が本人に伝えにくいところを就労移行支援事業所が専門的に担えます。
就労移行支援事業所で訓練を受けた利用者を採用することは、メンタルやスキルが備わっている人材を確保することになります。
雇用率を達成し企業が実現させたいvisionのため、すぐに諦めない・辞めない人材が欲しいのが本心です。
そういう企業と働きたいと願う利用者の仲立ちをするのが就労移行支援事業所の役割です。
就労移行支援を利用して失敗した場合は?
結論:本人希望で辞めることは可能
こちらの記事でまとめていますので、この記事で詳細は触れませんので参考にどうぞ。
【まとめ】就労移行支援事業所で「いじめ」はあるのか?
「いじめ」は一定数ありますが、利用者同士の場合は思考特性や社会性が絡んできます。職員がいじめに近い行為をしてしまう場合は、職場環境やストレスマネジメントに問題があると言えます。
いじめがない、風通しのよい事業所を選択することは「利用者」にとってもよいサービスが得られるメリットがあります。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
もし、いじめが原因で事業所をやめたい場合はこちらの記事もご確認下さい。
きちんと事業所を選択したい場合は下記の記事が参考になります。
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