
通所を無理に促す職員さんには嫌気がさしてきたよ

一体通所していくら儲かるの?勘弁してもらいたい
こんな内容を解説していきます。
就労移行支援で儲けるという「闇」は依然として問題視され続けています。
こちらの記事で述べているように闇が多く存在していて利用者にも見抜く力が必要とされるようになってきました。「質」が問われる時代に移り変わってきているということです。
この記事では利用者が通所することでいくら儲かるのか詳細を暴露していきたいと思います。
深堀りをしていきますので、最後までお読み頂けると幸いです。

小林玄人:ハルト(@haruto_shelf)
作業療法士歴10年以上
手帳持ち
就職者実績60名以上
就労移行支援事業所でセンター長兼エリアマネージャーを経験
就労移行支援の全てを知り尽くしている
就労移行支援の儲けを理解するには「売上」の仕組みが理解必須
避けて通れませんので理解をされて下さい。
医療・介護・福祉業界に共通していますが、一定の条件を満たしたときに算定ができる医療点数のようなものが決まっており、それを国保連(正式名所:国民健康保険団体連合会)に「レセプト」と言われる形で請求をかけます。月ごとに提出する診療報酬明細書があり、それにしたがって報酬を受け取るシステムです。
就労移行支援の儲けを「助成金」と呼ぶ方がいますが、利用者目線では助成金とは異なります。
就労移行支援にも報酬明細がある
引用:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
詳しくみていくと
- 初期加算
- 欠席時対応加算
- 食事提供体制加算
など様々ありますが、ここでは一般的なサービス費用に限って説明をします。
就労移行支援の報酬の仕組み
表に沿って説明すると、就労移行支援が算定できるサービス費用は「ランク制」です。平成30年に導入された新制度でこれを皮切りに新規参入する業者が減ったというデータもあります。
一定の定員に対して就職者を出し、6ヶ月間は就職先に所属すると実績になるシステムです。
20名定員が1番儲けやすい請求単価となっていますので、20名定員となっている事業所がほとんどだと思います。
表の見方ですが、例えば6ヶ月定着者が20名定員のうち10名いれば来年度に請求できるひとりあたりの単価は定着率が5割以上になりますので「1210単位」となるわけです。1単位=\10ぐらいなので、最大単価が請求できて1名通所することで\12,100円の売上になるわけです。1日に20名通所することができれば、他の加算を無しにして考えても「20万弱」の売上となります。
就職者がでない場合は?
就職者が出せなかったり、職場に6ヶ月定着できない場合は単価が低下する仕組みです。
例えば20名定員のうち5名しか実績が出せなかった場合は、計算すると「0.25」で2割以上3割未満に該当し、翌年請求できる1人あたりの単価は719単位(\7190)となります。
単価が低い場合の対処方法は?
- 通所者数を増やす
- 定員数をカットして単価率を引き上げる
単価が低い場合は少しでも通所者を増やしてカバーするしかありません。「かさ増し通所」に走ってしまうのはそのためです。
また、定員数をカットする方法もあります。最大定員を15名にし、15名中7名が実績となれば「0.46」となり、翌年に請求できる単価は1020単位(\10,200)です。しかし、定員数がカットされるため自然と売上は少なくなるため、こちらの方法でも「かさ増し通所」をしなければなりません。
就労移行支援はランク制になり淘汰される仕組みとなっています。
1ヶ月の金儲けとその使い道:現実的に解説

私がセンター長兼エリアマネジャーを行っていた時のことですので現実的な内容をお伝えしていくことになると思いますので、知っていただけると幸いです。
定員20名、1210単価が請求できると仮定して考えると…
1日あたり20名が通所すると
- 1210単位×20名=24,200単位
- 1単位=\10
- 24.200単位×\10=約\242,000
- 1日の売上は\242.000
月~金に毎日20名が通所できると仮定して計算すると
- \242,000×5日間=\1,210,000
さらに1ヶ月を4週だと仮定して計算すると
- \1,210,000×4=約\4,840,000
「かさ増し」して土祝を足すと、ざっくり\580万程になります。
約580万円はどこに消えるの?

ざっくり6割は人件費になります。雇っている従業員さんの人数にもよりますが、350万円は職員のお給料に消えていきます(ボーナスが出せれば込みで)
5人の職場だったら350÷5で1人あたり70万円はありえませんのでご注意を。
実際はそんなに貰える金額ではありませんので、本部が調整してもらえない部分は本部で預かるような格好だと思います。
就労移行支援員の給料ってかなり安いですよ。センター長・サービス管理責任者にならないと年収的には他業界にも及びません。
残りの230万円はどこに消えるの?
- 家賃 :好立地がおおいので50万
- 光熱費:坪数によるがざっくり8万円
- 雑費 :ソフトウェア維持費、オフィス用品など10万円
- 駐車場代:都市部だと2台で4万円
- 社用車の維持費:月2万円
- 本部へのロイヤリティ:売上の約30%として約70万円
これらを支払うと手元に残るのはざっくり85万円です。
次年度への維持費や本部の資金として消えていきます。
事業所はカツカツ
「売上を出さなければならない」というのは、透明性でいくとこんな感じです。
事業所はカツカツ、儲かるのは本部です。
他店舗展開しているところほど本部がロイヤリティーとして儲かりますが、そこから本部の従業員のお給料やシステムの管理費、ビルの家賃など諸々の維持費に当てられ、残りが社長や役員の懐に入る仕組みになっています。
儲かる本部は新たに事業所展開、採算が合わない事業所は潰す
本部に余剰金が溜まると、次の店舗展開しようと動きをつけていきます。とくに都市部は競争が激化していますので出店ができていない地方や儲けがでそうなところを狙って展開していきます。
困っている人のためにお金を投資するというのは表向きで、他業界から参入している社長はお小遣い稼ぎ程度に考えている方多いのが現実です。(体験談)
事業所が潰れたり、ヤバい予兆
職員側の予兆
- 本部の職員が営業の付き添いをして方法を確かめる
- 毎日営業会議を開く
- 数字がなぜ減るのか細かい分析が入る
- 休みが多い利用者をピックアップして休ませないようにする
- 不足している職員を増員してくれない
などが考えられます。
実際に私が体験した内容はnote記事で暴露していますのでお読み頂ければ幸いです。

基本的に毎日営業会議する時点で数字が怪しいです。営業会議が週1回、月2回程度ならわかりますが、さすがに毎日行うにはかなり大きな課題があると感じ取っていいと思います。
利用者側の予兆
- 休みの架電すると長電話で通所を促す
- 自宅付近などで待ち合わせして話す
- 喫茶店などでの面談を促す
- 事業所までの送迎を提案される
- 通所するために税金が使われているという(無料に見えて無料じゃないと)
利用者からすれば迷惑にすら感じられる行為です。ここまでされる場合は、何かあると感じとってもらっても良いと思います。
HPから自分が所属する事業所の定員数を調べるのも方法です。20名定員から下回っていたら運営が厳しいということがわかります。

良くありませんが、私も送迎を行っていたりはしました。当時は会社の犬でしたので事業所が危ないときは何でもやっていた過去があります。
【まとめ】就労移行支援は1人あたりいくらの儲けなの?
結論:報酬単価によるが、1人当たり¥12,100
事業所の売上は報酬単価によって左右されますが、利用者がしっかり通所していれば
- 良くて月500万円
- 最悪の場合は月190万円
就職実績があるか無いかでこれだけ差があります。
月200万前後の売上が年単位で続くと閉鎖に切り替わっていきますので、利用者の行場を探したり事業所側が苦労する羽目になりますし、クレームも相次ぎます。
ここまで就労移行支援の儲けについて闇を暴露しましたがどうですか?
意外に儲けている感じがしましたか?
それともカツカツで厳しい印象でしたか?
一番儲かるのは「社長」や「役員」たち
運営会社は出店さえしなければ売上金をプールできるので儲かる一方です。そうなると社長や役員の報酬は右肩上がりになります。
吸い上げるだけ吸い上げる、これが障害福祉のビジネスモデルといっても過言ではないでしょう。

結局、シワせよは利用者にいくってことだよね

その通りです。
職員も頑張らなければなりませんので、そういうことにもなりますし利用者との摩擦も生じます。心が痛みます。
社長や役員クラスになると制度の穴をついた方法を議論して実際に指示するため、就労移行支援事業の闇深さはまだまだあります。
これは私とA氏で対談した就労移行支援の真髄に迫る暴露noteです。

就労移行支援事業の制度にはグレーゾーンと言われる抜け道が存在し、それを利用者に押し付ける事業所もあるため闇化しているのは確かです。
他にも利用者に仕掛ける方法がありますので、暴露という形でnote記事に残しましたので参考にして頂けると幸いです。
闇の基本はこちらで綴っていますのでどうぞ





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