
就労移行支援事業所に見学へ行こうと思うんだけど何を聞こう?

何か質問するリストがあれば楽なんだけど
こんな疑問にお答えしようと思います。
就労移行支援事業所に見学にいっても「受け身」でいると分からなくて困る方事が多いです。
こちらの過去記事で
- 見学の準備
- 見学流れ
- 当日の服装、身だしなみ
- 言葉の作法
など、ざっくり示しているので合わせて必ずお読み下さい。
過去記事では必ず質問する項目を「7項目」としています。
- 交通費、昼食など事業所の福利厚生
- 皆勤手当て
- 施設外就労はしているか?
- 実際の就職者数
- どのくらいの期間で就職される方が多いか
- 卒業生の進路先
- 定着支援は行っているか
一般的な質問となっています。
今回は闇の事業所を引かないよう「光」と出会える質問内容として5つに絞ろうと思いますので、今一度深堀りをして解説をしていきたいと考えています。

小林玄人:ハルト(@haruto_shelf)
作業療法士歴10年以上
手帳持ち
就職者実績60名以上
就労移行支援事業所でセンター長兼エリアマネージャーを経験
就労移行支援の全てを知り尽くしている
就労移行支援事業所の見学で闇を知るために
就労移行支援事業という制度を知らない方がほとんどだと思いますので、見学ではほとんどは制度の説明に時間を割かれると思いますので、最初は受け身でも大丈夫です。
しかし、いざ利用を考えた時やサービスが自分にあっているか確かめるためには質問するしかありません。
HPやブログとの乖離も質問しながら崩していくしか方法がありませんので、ある程度の聞き方は必要となりますが、事前準備だけしていれば大丈夫ですので参考にして下さい。
見学当日は緊張の連発
闇を暴くという姿勢では決して見学に行かないようにして下さい。
あくまで「情報収集」が無難だと思います。
必ず緊張はしますが、焦らずメモ帳を見ながら進めれば大丈夫です。
気が利く職員だと「ここはメモしておいて下さい」とか指示してくれますので、当日は職員のあたりハズレがあります。そこは人間性の問題となりますので仕方ないかもしれません。
必ず聞くべき質問その①:就職先はどうなっているか?
必ず聞きましょう。
- どの分野で就職される方が多いのか
- 就職先の企業名
- どのくらいの訓練で卒業できるのか
どの分野で就職される方が多いのか
- 製造業
- 清掃
- 接客業
- 事務職
- 営業職
など、職種はたくさんあります。
自分の望んでいる進路との乖離を確かめるための質問です。
仮に自分の望んでいる進路に就職できていない利用者がいれば、その要因を聞くようにしていきましょう。
利用者の希望なのか、職場開拓ができないのか、ハローワークなどの決められた案件しか就職先として取り扱っていないのか知ることがでいきます。
就職先の企業名
質問すれば普通の就労移行支援事業所であれば開示をしてくれます。就職先が就労移行支援事業所の売りになるわけですから。
仮に就職先が個人情報のため開示できないと言われたら、不信感を抱きましょう。一般的に利用者名を言わなければ企業名は開示してもいいことです。開示できないということは何か事情を抱えていると推測しても構わないと思います。

私は事業所の売りになるので積極的に開示をしていました
企業ロゴをHPやブログで扱う場合は企業の許可が必要でしたので確認をしていました
どのくらいの訓練で卒業できるのか
どれくらいの頻度で卒業生がでるのか確認をしましょう。早期就職を望んでいる場合は指標となります。
一般的に就労移行支援事業を利用しての就職は、
- 生活評価(生活が自立しているか)
- 訓練評価(指示どおりの訓練内容ができるか)
- 訓練
- 進路確定
- 履歴書作成
- 面接練習
- 面接本番
という流れに沿って行われます。おおよそ6ヶ月くらいの就職が平均的で、訓練が長期に渡って必要な方は1年~1年半ほどかかります。

他の記事でも書いたことがあるかもしれませんが、私は1ヶ月~3ヶ月以内で就職を決めた利用者はみたことがありません。いくら早期就職を希望していても生活評価や訓練評価をすると仕事に見合っていなかったり、書類審査が通らない、面接が通らないなどの要因で早期就職を希望していても、ご自身で頑張らなければいけない要因も絡んできます。職員ありきというのも限界があります。
必ず聞くべき質問その②:仕事を辞める利用者はどのくらいの頻度でいるのか
これは仕事がどのくらい続くのかを知る指標です。
就労移行支援事業は6ヶ月以上、就労が続いて実績となります。
- なぜ仕事が続かないのか
- マッチングはどうなっているのか
- 辞める利用者はどのくらい事業所を利用していたのか
- 就労定着支援はどうなっているのか
なぜ仕事が続かないのか
仕事が続かない理由は利用者それぞれの理由があると思いますが、
- 利用者の自己理解不足で慌てて就職してしまった
- 利用期間ギリギリで仕方なく合わない職場を選んだ
- 職場での人間関係が原因
ここら辺は今の自分と照らし合わせることができるので質問しておきましょう。
人間関係が原因の場合、コミュニケーション能力が課題として残っていたと推測できますし、自身と比較することができます。
利用期間ギリギリだったり慌てて就職した場合は、職員も疑うべきです。計画通りに支援が受けられるか疑問が残ります。
ゆっくり就職したい希望者は「かさ増し通所」も経験する羽目になると思いますし、慌てて就職活動をしてしまった場合は能力不足を正確に、かつ納得できるよう指摘できない職員の能力不足も考えられます。
マッチングはどうなっているのか
辞める利用者の場合、仕事のマッチングはどのようにすすめていたのか聞いておきましょう。
- 職員が進めたところに合わせた
- 一方的に利用者が決めた通りに従ってしまった
- 職員と相談して決めたのか
でマッチングにも変化がおきてきます。
10月1日までに就職者を出して6ヶ月定着させなければ就職実績となりませんので、事業所側が慌てて無理やり就職させるパターンもあります。「相談して決めた」と回答するのが一般的ですが、中には奥深い利用者の事情を聞くことにも繋がりますので聞くことに問題はないと思います。

私はすべて正直に答えていました。
透明性のある事業所にしたかったですし、利用者とのすり合わせ、自己理解が不足したまま時間だけが経過してしまい就職のタイミングを逃したなど答えています。他の記事でも自己理解について触れていますが、自己理解が不足していると自分に合う進路が見いだせないのは事実なんです。
辞める利用者はどのくらい事業所を利用していたのか
6ヶ月ぐらいの利用で就職するのが平均的な数字だと言われていますが、すぐ辞めてしまう利用者はどのくらい事業所を利用していたのか聞くべきです。
1ヶ月や3ヶ月だと訓練時間が少なかったり、職員に相談したり支援を全く受けないで勝手に動いて就職した可能性が非常に高いからです。
そういう利用者が多いと事業所の就職率も自然と下がりますので、どういう要因なのか把握できます。
就労定着支援はどうなっているのか
就職してから6ヶ月の間は就労定着支援が任意となっているので、受けている方がいるのかどうか聞きましょう。
就労定着支援は就職後も定期的に職員が企業との間に入って調整してくれたり、利用者と面談をする価値あるサービスです。
ほとんどの利用者は就職したあとも就労定着支援を受けていると思います。
また、6ヶ月経過後もサービスとして受け続けたい場合は「就労定着支援事業」として新たに事業所と契約を交わさなければなりませんので、どのくらいの希望して続けている利用者がいるか確認することをおすすめします。
必ず聞くべき質問その③:1年間の「就職者数」と「就職率」
これはマストですので忘れず聞きましょう。
事業所の質を確かめるために
パンフレットには90%となっているが、事業所としてはどうなのか確認をすべきです。
誇大表記をしている事業所がたくさんありますので、そこを見抜くために質問して下さい。
この質問に対しては必ず「20名中10名は就職している」と回答する事業所が殆どだと思いますが、実際はどうなのか聞くべきです。
「本当はどうなんですか?」と突っ込んでもいいです。
実際は年によっては7名くらいのときもあったり、8名のときもあると回答してくれる事業所は良心的だと言えます。
就職率は1年間の就職者数から推察できる
年間に7名くらいの就職者だと就職率は70%ですので、パンフレットに90%以上と表記があれば明らかに乖離があります。
1年間に10名就職できていると回答すれば就職率100%ということですので、基本的にはあり得ないと思ったほうが良いです。
引用:就労支援施策の対象となる障害者数/地域の流れ_厚生労働省
厚生労働省の資料によると、就労移行支援の実際の就職率は全国的に57.2%となっているので90%などの表記などは企業独自の表記になっています。
6~8名と答えてくれる事業所の方が全国平均に近い回答をしてくれていますので、ひとつの指標にしても良いと言えます。
年によっては10名達成できたところもあると答えてくれれば、事実だと言ってもよいでしょう。
必ず聞くべき質問その④:土曜日、祝日も通所しなければならないのか
これを聞いておけば、利用するときに「かさ増し通所」の被害を最大限に喰い止められます。
土曜日・祝日の通所は強制ではない
土曜日・祝日の通所は、利用者の権利である最大利用日数を消化させるための「かさ増し」要素が絡んでいます。
なかには週5日通所のリズムを崩さないために「月・火・水・木・土」で通所リズムを保っている利用者もいるため、すべての方に該当するわけではありませんが、他の記事で述べたように社会的に「月~金」が仕事、土日祝は「休日」というのが日本の基本です。
シフト制になっている職場もあると思いますが、一般的な会社であれば「月~金」が仕事です。
土曜日・祝日も通所率が足りない場合は通所してもらう可能性があると回答されれば「通所率のかさ増し」が考えられます。
理由を突っ込みましょう。
必ず聞くべき質問その⑤:職場定着率はどうなのか?
就職率はパンフレット・HPでも確認できますが、職場定着率については表記していない事業所が大多数です。
どのくらいの利用者が仕事を続けることができているのか?
重複するかもしれませんが、卒業して仕事についても1年で辞める人もいれば、7ヶ月ぐらいで辞める人もいます。
こういう利用者は自分で転職して辞めるか、就労定着支援事業の支援をうけて転職活動をするか、事業所と完全に縁を切ってしまう方のどちらかになると思います。
仕事が続けられないようだと支援をきちんと受けていたのか分からないですし、就職率より就職後もどのくらい手厚い支援をしてくれるのか知ることができます。
- メールで相談にのってくれる
- ヘルプを出せば企業訪問してくれる
- 企業と利用者の関係性を崩さず支援してくれる
事業所内の支援だけに留まらず、事業所の外でもどのくらい支援してくれるのか知ることができますので質問するようにしましょう。
【まとめ】就労移行支援事業所の見学で必ず聞くべき質問を「5つ」に絞りました
- 就職先はどうなっているか?
- 仕事を辞める利用者はどのくらいの頻度でいるのか
- 1年間の「就職者数」と「就職率」
- 土曜日、祝日も通所しなければならないのか
- 職場定着率はどうなのか?
大切な質問事項としてこの5つを深堀りしましたが、いかがでしたでしょうか。
就労移行支援事業所は利用する前に必ず見学をするかと思いますが、受け身でいくところは受け身でいき、しっかり尋ねるべきところは聞くべきです。
- 通所率のかさ増し
- 強制的な通所
- 通所率という言葉の乱用
- 就職を先延ばしにする
- 支援員の力量不足
実際に通所することで現実を目の当たりにします。
利用する側がしっかり「光」を掴むためには「闇」深い事業所を見抜く力も必要ですが、これでほぼ闇を見抜くことはできると思います。

じゃあ、結局どこへ見学にいけばいいのか分からないんだけど…

私が就職者数60名を出したなかで、おすすめの事業所をランキング形式にまとめましたので参考にしてもらうといいです。

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友人が勤務していて情報を聞いています。
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